HSPは生きづらい?精神病にならないための2つの対策
私は作業療法士として精神科勤務経験がありますが、
「生きづらさ」と言えば、まず先天的な発達障害が思い浮かびます。
アスペルガー症候群(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などです。
次に後天的なAC(アダルトチルドレン)や愛着障害といったキーワードが出てきます。
最近、話題になっているHSP(Highly Sensitive Person ハイリー・センシティブ・パーソン)はご存知でしょうか??
直訳すると「とても敏感な人」という意味です。
先天的な障害と言われています。
上記の発達障害、AC、愛着障害は精神障害にとても密接だと考えられています。
「生きづらさ」がストレスとなり、それがキッカケとして精神障害(2次障害)になってしまう。
これが大きな流れです。
では、HSPも同じでしょうか?
特徴を踏まえ、どのようにすれば2次障害としての精神障害にならないのか。
対策や考え方を紹介していきたいと思います。
<目次>
1.HSPとは
まずはチェックリストを行ってみてください(^^)
チェックリスト
http://hspjk.life.coocan.jp/selftest-hsp.html
”14項目以上あてはまったら、おそらくあなたはHSPです。”
とのこと。
私は12個でした。
あなたはどうでしたか?
では、ざっくり特徴を列挙していきます。
■光や音、匂い、そのほかのさまざまな感覚に人一倍敏感
■場の空気や他の人の気持ちを読みとることが得意
■人より深く考え、呑み込みが早いと言われる
■感受性が強すぎるせいで刺激に圧倒されて疲れ果てることがある
■子どものころから空想の友だちなど不思議な体験をしてきた
https://susumu-akashi.com/2016/10/hsp/
2.HSPの体験談
実際にHSPと診断された方の動画です。
HSP・心が敏感で他人の顔色が気になる方へ【心理カウンセラー武田秀隆】
・感受性が強い、心が敏感、繊細な気質
・1回傷つくと立ち直るのが難しい
・話した後で不安になる
・叱られる、批判が怖い → 連動して失敗が怖い
・不安や緊張が長く続いている
・頭では、リラックスしたい
・健常者に理解してもらえない
・当事者にアドバイスは苦しい
・「治す」という発想でなく、良さも含めて、受け入れる
上記のようなことをおっしゃっています。
とてもストレスが溜まりそうです。
3.精神疾患になりやすい人とは。HSPとの関連性。
精神疾患になりやすい人とは
一言で表現すると、
(1)ストレス耐性が低い人
です。
(2)対人関係スキルが低い
という傾向もあります。
一つ一つ見ていきます。
(1)ストレス耐性が低い人
「真面目」「完璧主義」などがわかりやすいキーワードでしょうか。
◆テストで60点だった時の例
100点満点のテストで60点をとりました。
どう、捉えますか?
①60点しか取れなかった
②60点も取れた
「真面目」「完璧主義」な人は①になる傾向があります。
そうすると、
60点しか取れなかった
→ 自分はダメなやつだ
→ 何をやってもダメなんだ
→ 消えたい
というような思考プロセスをたどる方がとても多いです。
60点をどうとらえるかという話ですが、
上記のような考え方をする人は、
例え90点とっても同じ捉え方をする傾向があります。
マイナスの10点に注意が向けられてしまうのです。
これは「心のフィルター」という認知の歪みです。
認知の歪みはご存知でしょうか??
「完璧主義」も認知の歪みです。
10パターンあるそうです。
認知の歪みは誰しも起こりえる思考の偏りです。
誰しもありますが、度合いが強すぎると問題が起きてしまいます。
↓知らない方はぜひ見てみてください(^^)
認知の歪みの定義10パターン ~ 思考のマチガイを見つけるツール
http://fernwelt.net/b/10-cognitive-distortions/
話をHSPに戻します。
体験談で
・1回傷つくと立ち直るのが難しい
というのがありました。
1回傷ついた段階で、認知の歪みができている可能性が高いです。
認知の歪みは経験によって無意識に作られるものです。
・叱られる、批判が怖い
については、「一般化のしすぎ」という認知の歪みが当てはまるかもしれません。
『わたしは、他人と仲良くなろうとガンバっても絶対に叱られる。
いつも上手にコミュニケーションすることができず、みんなに批判されるのだ』
みたいなイメージです。
過去に1,2回起こった出来事を普遍的なことと思いこんでしまうのです。
このようにHSPの人はストレス耐性が低い傾向があると考えられます。
◆ストレス耐性の対策
認知の歪みを自覚することが大事です。
そのためのツールとして、「認知行動療法」をお勧めします。
カウンセリングでしかできないと思っている方が多いようですが、
一人でもやろうと思えばやれます。
【ざっくり認知行動療法】
①事実を書き出す
②それに対する感情・行動を書き出す
③認知の歪みの観点で、①②を振り返る。
④①に対して、他の捉え方がないか考えてみる
以上です。
他者に見てもらえるのであれば、見てもらってください!!
より効果が出ます。
④は
・60点しか取れなかった
・60点も取れた
など1つのパターンだけでないことに気付くことが大事!
(2)対人関係スキルが低い
「人見知りしてしまう」
「他人に合わせるのが苦手」
など、対人関係が苦手な人が精神障害者にとても多いです。
HSPでは、
・感受性が強い、心が敏感、繊細な気質
・話した後で不安になる
・叱られる、批判が怖い → 連動して失敗が怖い
・不安や緊張が長く続いている
など、対人関係の苦手意識を増長させる要因が含まれています。
”人間の悩みは全て対人関係の悩みである”
と、アドラー心理学で言われているように、
対人関係の問題はとても大きな影響を与えます。
(1)のストレス耐性の話とも関連性が高いです。
◆対人関係スキルの対策
試行錯誤がたくさん必要です。
↓以前、書いた記事です。
説明が下手な病気(アスペルガー・ASD)でも、対人援助職の作業療法士になれたコミュニケーションスキル
https://blog.maru-bipolar2.xyz/entry/2018/07/03/172733
【要約】
①方法論をインプットする
本、TV、ネットなど
②発信する
ブログ、Twitterなど
③役割を担う
仕事、リーダーなど
④PlanDoSee
Plan:計画
Do:実行
See:反省
このサイクルをまわすことが大事です!!
(PDCAなんて表現もあります)
⑤話題作り
共通のネタをたくさん持つと話がしやすい
4.まとめ
いかがでしたか?
HSPの、精神病にならないための2つの対策をまとめてみました。
2つだけですが、具体的な対策は時間がかかります。
ですが、その分かなり大きな影響が確実にあります。
ストレス耐性と対人関係の悩みが少なくなると、
人生が変わると言っても過言ではありません。
ぜひお試しください(^^)