我慢はよくない‼️気分屋的な生き方をしろ‼神田橋語録のススメ(双極性障害)
精神科医の神田橋條治先生はご存知でしょうか。
精神科医の中の精神科医と呼ばれる名医です。
そんな神田橋先生が、
双極性障害(躁鬱病)についての講演の内容をインターネット上にアップしてくれています。
http://hatakoshi-mhc.jp/kandabasi_goroku.pdf
当事者の方は最初の3ページだけ読むといいです。
背中を押される文章です(^^)
この記事では、
神田橋先生による「神田橋語録」について
解釈やコメントをしていきたいと思います。
1.神田川條治先生について
すごいいいことを言っているのだけれど、
それほど知名度が高くないようです。
(私の周りの反応から。精神科医の中ではとても有名らしいです)
考え方としては、
西洋医学の基礎知識を土台として、
東洋医学と経験を混ぜたような印象を受けます。
例えば、『発達障害は治りますか?』という本では、
「患者さんの足関節から治療をする」という話があります。
「姿勢はとても大切」という考えから、土台である足関節からアプローチするというのです。
ドクターなのに、薬の処方だけじゃないのです!!
すごい衝撃を受けました!!
私は作業療法士という職種なのですが、
その視点からも尊敬すべき先生です。
ただし、「時代の先を行き過ぎている」という印象もあります。
「気分屋的生き方をすると気分が安定する」
という言葉は標語になっています。
他の本でも紹介されています。
2.「神田橋語録」にはどんなことが書いてある?
ざっくり列挙します。
・双極性障害2型の性格
・体調が悪くなる兆候
・躁鬱の波
・躁鬱の特徴
・対人関係の持ち方
・薬物療法について
・認知の歪み
・我慢
・吾がままであること
・色んな人と付き合えば、薬は要らなくなるか減らせる
・結婚するなら…
・カウンセリングを受けるなら…
・「気分屋的生き方をすると気分が安定する」
・向いている職業
以降、私が気になるところを、引用しながらコメントしていきます。
3.躁鬱病は体質
”躁鬱病は病気というよりも、一種の体質です。”
「体質」と聞くと、安心する方もいるのではないでしょうか?
私は安心しました。
たとえば、
神経症圏(不安障害、強迫神経症、パニック、身体表現性障害)は、
性格的な問題という見方があります。
発達障害(アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害、学習障害)については、
誰もがその要素を持っているという意見もあります。
要するに、「度合」の問題です。
健常者でも気分の上下が激しい人がいます。
躁うつ病の説明を友達(健常者)へした時に
「私だって、気分の波はあるよ」
みたいなことを言われたことのある人はいると思います。
つまり、健常者と明確に違うわけではなく、同じ線上にいるわけです。
”体質ですから、季節や天候(季節のサイクルや台風など)、お産や 生理、そして人間関係のストレスで悪くなります。”
これもよく聞く話です。
・季節の変わり目
・気圧の低下(特に台風)
・ストレス
私もこれらの影響を受けます。
4.薬物療法について
”薬物療法として 60%の人にリチウム、20%にバルプロ酸、10%にカルマバゼピン、5%な いしは 10%にクロナゼパムが効きます。ただし、波の期間は短くなりません。振幅が浅くなるだけです。”
勉強している人はご存知だと思いますが、
薬で波の期間は短くなりません。
振幅(波の上下)が浅くなるだけです。
だけですと書いてますが、
「波の上下が浅くなる」
というのはとても大事なことです。
当事者にとって、これほど楽になることはないと思います!!
この後は、薬だけでなく、行動面でも「波の上下」を浅くする方法を説明してくれています。
5.認知の歪み
”大うつ病と違って認知の歪みはありませ ん。”
この発言は唯一、疑問点です!
私は、双極性障害にも「認知の歪み」がそれなりにあると思います。
もちろん少なからず健常者にもあるものです。
※認知の歪みとは…
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E3%81%AE%E6%AD%AA%E3%81%BF
私が言いたいのは、
大うつ病と同等レベルで「認知の歪み」があり、
そのストレスが元になって、うつ期を迎える人が少なからずいる印象です。
私自身もそうなのかなと思っております。
6.「我慢」と「吾がままであること」
”躁鬱病の人は我慢するのが向きません。「この道一筋」は身に合いません。ずぅーとではな いにしても、「吾が・まま」で行かないと波が出ます。”
双極性障害の方は、「色々とやりたい」と思う人が多い印象です。
というのも「転職」、「引っ越し」が多いらしいです。
私もそうです。
システムエンジニアを5年半していましたが、
たくさんの仕事に関わってきました。
1年ごとに仕事内容が変わる感じ。
その後、作業療法士として転職。
身体領域と精神領域の2種類の仕事を経験しました。
ちなみに、引っ越しは37年で9回しました(笑)
プライベートでは、ちょっと危ないこともしました。
そのくらいがちょうどいい感じです。
7.薬は要らなくなるか減らせる
”生活が広がるほど波が小さくなります。”
”一つの事に打ち込まずに、幅広く色んなことをするのが良いでしょう。”
”そうして色んな人と付き合えば、薬は要らなくなるか減らせます。”
とても実感があります。
上記のことをすると、シンプルに刺激欲求が満たされるのだと思います。
また、別の視点で言うと、
作業療法士的には、「役割」が増えると充実感が上がります。
彼女ができるというのも、「役割」が増えること。
ランニングサークルのシステム担当をしていますが、それも「役割」
勉強会に参加するのは、「受講生」としての「役割」
友達と会うのは「仲間」としての「役割」
「役割」が明確になるとやることも明確になります。
アイデンティティ(自己同一性)が保たれるのでしょう。
私はそう解釈しています。
8.「気分屋的生き方をすると気分が安定する」
この記事でメインの項目です!
標語であるこの言葉。
背中を後押しされました!!
”コツはまずくだらない事を遊び半分でやることです。価値の無い事、無駄 なことから始めましょう。そうすれば中途で止めてもがっくり来ません。価値あることを してしまうと、しんどくなった時に途中でやめられなくなるから、損です。逆に無駄なことをどんどんやるのは、治療に役立つから無駄ではありません。”
”多様な刺激を脳に送り込む事になるから、それが躁鬱病の人の脳に良いのです。”
”法に触れない事なら何でもしてみましょう。生活が充実してくると波 は小さくなります。充実感があれば薬はもっと減らせます。自分に自信がついてくれば治 ります。”
先ほども少しふれましたが、「充実感」「自信(≒アイデンティティ)」がキーワードでしょうか。
治療として、上記のことができるなんて、とても自由♪♪
テンションが上がります(^^)
私はここ数年、夏頃になると何か新しいことがしたくなります。
・マジックセット
・ウクレレ
・ウサギ
「刺激欲求」の表れだと思います。
その以前も何かしらしていたと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
双極性障害に対して、とても肯定的な意見だと感じます。
薬だけでなく行動の指針を出してくれているのは、
とても助かることだと思います。
「病気だから、〇〇しなければならない」
という感じではなく、
「どんどん遊んでください。なんでもやってみましょう☆」
という自由な感じがとても好きです(^^)
みなさまはどう感じたでしょうか?
もし少しでも、気になってくださったのであれば、
今から実践してみてくださいね☆